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平成3年だったろうか。私の電話に野太い男の声で電話がかかってきた。
「カワシマナオミとセックスしたいか?」
一瞬、何のことを言っているのかわからなかったが、若い女でも紹介してくれるのかと、若い下心を出そうと思ったそのとき、言霊の閃光が私の淡い期待を裏切った。
「明日、ホテルでフセヒロシとやるんだぞ。お前も来るか」
なんと若い女ではなく、ババァ。ババァといっても、不細工ではない。カメラに写ればそれなりの女である。ただし、頭がパー、そしてセックス狂いということで、裏社会の人間にまで名前を知られていた。
「こんなの日常茶飯事だぞ。あのサカグチリョウコだって、たまたま売れただけで、かつては枕営業だ。芸能界に枕営業なんてあって当たり前だろう」
今の芸能界でも当たり前にある枕営業。一部の有名人が一晩いくらで買われていると噂されているが、一晩あたりの金額はともかく、当っている場合が多い。
この業界にいると、
「セックス依存症でNHKアサドラに出ている沖縄女をやるか?」
などと電話がかかってくることもある。芸能界というところはストレスがたまる。もともとたいした素質もないものが、シークレットブーツを履いて台に乗って背伸びしてマジックハンドを使って、精一杯上に上がろうとする人間とその周りにうごめく有象無象の「業界人」たち。ストレスがたまるのも納得がいくし、それがセックスに向かうのは、生物学的な御託をいえば、人間の死期が近づくほどのストレスにさらされているからだ、ということらしい。
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