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2006年8月31日
「亀田」を考える
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 視聴率40%を超えた日本中を巻き込んだ亀田現象というべきフィーバーは急速にしぼみつつある。


 だが、亀田が叩きだした視聴率40%という数字は、現在のテレビ界では異常ともいうべき数字といっていい。


 どんな人気のスターが出演するお化け人気番組でもこんな数字は取れない。


 視聴率20%を超えれば人気番組と認定される現在のテレビ界で、まさにこの数字は、亀田がテレビ界のキングにのし上がったことを示す数字であることに間違いない。


 つまり、あの8月2日、WBA世界ライトフライ級王座決定戦の試合が終わるまで、亀田は間違いなく日本で最も人気のある男だったのである。



 もうこの時点で、亀田側の大勝利だった。亀田が強いか弱いか、そんなことは実はさしたる問題ではない。強いチャンピオンなら日本にはいくらでもいる。ミニマム級のイーグル京和、バンタム級の長谷川は世界的に相当強い。


 だが、彼らが大きな試合会場を満員にし、テレビの視聴率を稼げるか、というとそうではない。彼らは強い。だが、客を呼べないボクサーという評価になる。


 ボクシングも興行の世界である。客が呼べないボクサーはいくら強くても、価値がない選手というレッテルを貼られてしまう。



 その点、亀田は大スターだった。ボクシング史上例を見ない大スターだったのである。


 亀田とその一家の生意気な態度や不遜な態度はを問題視するファンも多かったが、そんなことはどうでもいいことだ。


 人は誰も”異型”を見たがる。”異型”であればあるほど人を惹きつけられる。亀田はまさしく”異型”で、だからこそ賛否両論ありながらもファンの興味を引いた。



 亀田のこれまでの対戦相手が弱すぎだ、という指摘もあった。だが、それも戦略のひとつである。亀田という選手を売り出すためのプロモーションと考えれば、見事な戦略だったというしかない。



 確かに亀田はつくられたスターである。だが、それがどうして悪い。


 日本全国にいる何十万人のスポーツ選手、芸人、タレント、歌手、政治家たちが自分を売り出したくて悪戦苦闘している。それでもその中からスターになれる人間はほんの一握りでしかない。


 世間に認知され、金が稼げるスターになるということは大変なことなのだ。



 例えば歌手。歌が上手いだけ、顔が綺麗なだけ、プロモーションを効果的に行っただけ、テレビのタイアップをとっただけでは、スターになれない。


 人脈、金、幸運、すべてが奇跡に近い形で融合しなければスターにはなれないのだ。


 ましてや格闘技界の中でも、K-1、PRIDEに押され、人気凋落一途だったボクシングの世界で国民的な関心事になる存在になるということは、並大抵のことではないのである。



 亀田はそれをやり遂げた。まず、そこに着眼する必要がある。




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