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2006年9月1日
「亀田」を考える 2
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 亀田興毅が10月18日、有明コロシアムでWBA世界ライトフライ級1位、因縁の相手ファン・ランダエタと再戦する事が正式に決定、亀田興毅自身が8月31日、記者会見に臨んだ。


 「ヤツは死ぬな」「寝とっても勝てる」「あいつだけは許さん」「ベネズエラまで飛ばすよ」


 相変わらずの強気なパフォーマンスを見せたが、どこかこれまでの天下無敵、思いっきり生意気な態度とは違っていた。



 さすがの亀田もランダエタとの初戦のパッシングがきつかったのだろう。もう、世界は俺のために動いている、という上昇者特有のオーラは放っていなかった。


 聞けば、父親・史郎に


 「オヤジ、もうこのキャラクターは、ファン離れするばかりで、通用せんとちゃう」


 などと弱気なセリフをくちにしていたという。



 亀田は馬鹿ではない。どうやったらプロとして金が稼げるか、幼い頃から知っていた。


 もともとボクシングの道を選んだことが、懸命な策ではない。ボクシング界は低迷しており、若手の選手はアルバイトをしなければ生活できないし、ギャランティはチケットを自分で売ってさばかなければならない。しかもわずか5万円から10万円。チケットだって与えられた枚数が全部さばけるわけがないから、自分でかぶることになる。


 どんなに強くても、マーケット全体が沈んでいるから、マスコミは取り上げてくれないし、金は入らない。


 K-1やPRIDEの方が手っ取り早くカネになる。"強さ"を持ち合わせた人間なら、そちらの世界に行った方がはるかにカネになり、名誉が得られる。


 だが、父親の史郎が元ボクサーだった経緯もあって、亀田兄弟はボクシングの道を選んだ。彼ら3兄弟は空手を習っていたから、K-1やPRIDE(あるいはHERO'S)に進む方向も現実にあったのだ。


 彼らはもっともカネが稼げないマーケットに進出した。



 ここが、彼らの人生哲学とボクシング哲学のキーワードになる。カネが動いていないマーケットの中でカネを動かさなければならない。


 もちろん強くなること、世界チャンピオンになることが目標だが、ボクシングでカネを生まなければならないのだ。


 これは大変な作業だ。


 それを彼らはやってのけた。ボクシング界の歴史の中でも奇跡といっていい大事業を彼らは展開しはじめたのである。



 ここをまず認識しないと、「亀田」は考えられない。




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