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2006年11月14日
東京高裁がプロレスはヤラセと認定 その5
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 今回は前回よりもさらに突っこんで大仁田の選んだ 『プロレス業界全体を地の底に叩き落す手法』 について語ろう。


 大仁田は今回の裁判に関して、 『プロレスの裏』 を隠そうとする日本のプロレス業界全体を人質に取って、法廷闘争を続けようとしているのだ。


 それはこういう事である。


 大仁田とセッドが騒げば騒ぐほど、「プロレスは筋書きがある」 という、日本のプロレス界が未だに隠したがっている事実が広く浸透する事になってしまう。


 そして大仁田が敗訴すれば、「やっぱりプロレスには筋書きがあるんだ、八百長なんだ」 と、一般人に 『最も悪い形』 でバレてしまうのだ。


 『最も悪い形』 というのはこういう事だ。


 プロレス業界が自ら 「プロレスには筋書きがある」とカミングアウトするならば、「でもね、それには理由があって、これこれこういう事だから、わざと前もって筋書きを作っておくんだよ」というフォローが出来る。


 それによって去っていくファンも多いだろうが、新たな楽しみ方を感じてファンになる人間もいるだろう。


 しかし今回のような法廷での判決という形で、プロレス業界の意志ではなく法の下に 『プロレスには筋書きがある』と明らかにされてしまっては、プロレス業界全体が手も足も出ないまま被害だけが広がってしまうのである。


 こう説明すれば、「大仁田は大恩のあるプロレス業界を人質にとって我が身を守ろうとしている」 という事が理解してもらえると思う。


 このままの流れで行くと、大仁田が敗訴する事によって、プロレス業界全体が多大なダメージを負う可能性があるのだ。


 大仁田は我が身かわいさなのか何なのか分からないが、プロレス業界に関わる人間全てを道連れにしようとしているのだ。


 それが仮にも自民党議員のやる事か?


 この一件と無関係な人間まで巻き添えにして被害ばかり広げようとするなど、プロレスラーとして以前に、政治家として以前に、人としてどうなんだと言いたい。


 これは立派な傷害事件なのだから、大人しく大仁田は罪を認めて、プロレス業界のためにも身を引いて罰を受けるべきなのだ。今ならたった78万円の賠償金で済む話なのだ。


 アイドル議員路線を推し進めた小泉も退陣したというのに、そんなに議員生活を続けたいのか?


 仮にも日本の政治に携わる人間が、自分が返しても返しきれない程の恩恵を受けたプロレス業界全体に被害を及ぼすような手法で我が身を守ろうとは何事か!


 セッドもセッドで、仮にもプロレスラーを名乗っているのだから、プロレス業界の事をもう少し考えて、水面下で大仁田と手打ちをするという方法が浮かばなかったのか?


 しかも争っているのが一流と呼べるレスラー同士ならまだしも、よりによってプロレスファンから忘れ去られているような、今後プロレス業界に何も功績を残せないような大仁田とセッドジニアスなのである。


 今でも日本のプロレス業界には優れた選手が数多くおり、皆身体を張って会場に足を運んでくれるファンのために、自分を応援してくれているファンのために、毎日厳しいトレーニングを繰り返し、怪我を恐れず素晴らしい試合を見せてくれている。


 そんな現役レスラー達に対して、まずはワビの一言くらいあって然るべきなんじゃないのか?


 それに 「プロレス業界がプロレスの裏をファンにハッキリとは見せたがらない」 というのも、一つにはファンへの思いやりがあるからなのだ。


 力道山以来、日本ではプロレスは真剣勝負として信じられて来た。


 力道山亡き後は猪木がそれを引き継いで、【プロレス=真剣勝負】 として人気を保って来た。


 そして一方ではタイガーマスクの大ブームがあり、方や女子プロレスがビューティペアやクラッシュギャルズ、極悪同盟などのブームで人気を集めた。


 そして猪木に求心力が無くなってからは、前田日明率いるUWFが、UWFの空中分解後はジャイアント馬場率いる全日本プロレスが鶴田や三沢を中心としたレスラー達の大活躍によってプロレス人気を守り通した。


 そんな歴史あるプロレスの中で、筋書きの存在は絶対に外部に漏らしてはならないトップシークレットとされてきたのだ。


 その秘密をいきなりバラしてしまっては、多くのファンにショック症状を与えてしまう。さらに言えばプロレスラーの戦いに勇気付けられた多くの人達の思い出に傷を付けてしまう。


 だから偉大な先輩レスラーの後を引き継いだ者達は、プロレスの裏について(一時期よりも緩くなったにはしろ)あまり派手に外部に喧伝するような真似はしなかったのだ。


 そこには真実を知られてファンが減ったら食えなくなるという理由もあるだろうが、それよりもファンへの思いやりと、先輩レスラーへの尊敬の念があるからこそなのだ。


 だからプロレスラーはそうした後ろめたさを背負いながら、ファンのために、そして大好きなプロレスのために、今日も激しい試合を繰り広げているのである。


 プロレスファンもそんなレスラーを応援するために、筋書きの存在などとっくに知っているのに、高いチケット代を出して会場へ足を運んだり、DVDを買ったり、中継を見て楽しんだりと、人それぞれの方法でプロレスを楽しんでいるのだ。


 そういった現役レスラーやファン達に対して、大仁田とセッドの2人は一体何がしたいのか?


 個人的な意見を言わせてもらえば、法治国家である以上は事件は事件として白黒ハッキリさせる必要があるし、法で裁く必要があるならそうすべきだ。


 だがしかし、それは無関係な人間達へ被害が広まる形で行われてはいけない。


 この一件はプロレスファンとして、いやプロレス業界全体にとって、本当に救いようのない内容なのだ。



 荒井禎雄(おはら汁)




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