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勝谷誠彦コラム
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2005年11月8日
本田美奈子。NHK放火。
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 中国にとんぼ返りで行ってきました。私が自由になる時間は水曜日のTBSのラジオ「ストリーム」が終わってから月曜日朝日本テレビ『ザ・情報ツウ』が始まるまでの間だけ。その間に北京から入って、哈爾浜、南京、を回って上海から出てきたんだからもうヘロヘロ。しかし帰ってくると待ったなしでいろいろな事件が出迎えてくれるんだなあ。まず目下の出来事の方から話ましょう。



 本田美奈子さんが亡くなったのには驚きましたね。彼女のこれまでの活躍ぶりや病気の進行については一般のメディアがさんざん取り上げていますので、私は内側から見たこの訃報について紹介することにします。


 彼女ほど、業界内部で愛されていた女性は稀だったということです。岩崎宏美さんをはじめとする友人たちがコメントを出していましたがどれもがまことに心を打つ内容だった。あるテレビ関係者が言います。


 「芸能人というのは基本的にお互いがライバルなので、誰かが亡くなった時のコメントも通りいっぺんのものが多いんです。事務所が用意したりもする。しかし今回は、みんな自分の言葉で真摯に語っていた。いかに美奈子ちゃんが愛されていたかだね」。


 それはスポーツ紙を見ていてもわかる。ほとんどは一面で取り上げましたが追悼記事を一般の記者たちが署名で書いていた。ある記者はプロ野球のキャンプ地から、ある記者は異動した別の部署から、しかしそれぞれが本田さんとの交流について声涙ともに下るような文章を綴っている。珍しいことだと思いました。


 芸能レポーターのみなさんもそうです。『ザ・情報ツウ』でご一緒した井上公造さんは珍しく暗い顔で控室にいて「おれ、本番中にガマンできないかもしれない」とつぶやいている。夕方の『ムーブ!』では山崎寛代さんがとうとうスタジオで泣いてしまいました。もともととても優しい彼女なのですが、本田さんとは交遊も深かったという。「まだ彼女のメールや伝言が携帯の中に残っているのよ…」とあとは言葉にならず。


 私はテレビや芸能界とかかわってまだごく短いのですが、そこの住人たちのとても人間的な面を見させてもらった思いでした。というのも本田さんという人が本当に真剣に生きていたからでしょう。別のテレビ関係者も言う。「みんな、ある意味では本田さんが羨ましかったんだと思う。それぞれが夢を持ちながらも事務所や局との関係でなかなかそれをつっぱってはいけない。本田さんはさまざまな困難にぶつかりながらもゆっくりゆっくりであっても、自分の信じる道を歩いていた。だからこそみんなに愛され、いや、尊敬されていたんでしょう」。


 表現者としての生き方を考える時、私も我が身を振り返って忸怩たるものがあります。比較的媚びたり佞ったりしない性格なのでこんな稼業をしているのですが、まだまだ真剣さが足りない。このコラムでも、押し寄せる逆風と徹底的に闘ってやろうと思いました。死ぬことを思えば屁でもないですからね。




 ここに愛され惜しまれながら逝く人がいるかと思えばあちらにはNHKの看板を背負って火をつける馬鹿がいる。笠松裕史という記者は5月ごろから地元の他社の記者からも完全にマークされていました。記者クラブというのはこの国の最後にして最悪の利権談合組織であって、くだらない村社会です。その中ではぬるく仲良くやるのが一番なのだが、どうも彼はそこに適応性がなかったらしい。テレビや映画で一匹オオカミのカッコいいジャーナリスト像でもすりこまれていたんでしょう。日本の大マスコミなんてそこらの営業マンよりもしんどい人間関係の中に生きていると知らなかった不幸です。


 関西で聞き込むところでは、彼は張り切って県警の各署などを巡って鬱陶しがられていたという。上司のデスクと先輩記者がいるのですが、その先輩から「死ね!」と言われているのを他社が聞いている。「人格を傷つけるような」などと各社がヌルい表現をしているのはこういう発言です。まあ「死ね!」くらいどこの会社のパワハラ上司でも言うでしょうがこの言葉が出るはNHKの人事管理が問題になると思ったんでしょうね。書かない各社もやはり記者クラブ談合体質の中にどっぷりというわけですな(苦笑)。


 しかしそれだけのズブズブの村社会のことです。奴が真っ黒だということは誰もが知っていたし、県警への夜回りの雑談でも出ていたはずだ。NHKの幹部だけが知らなかったということは常識的に見て考えられない。


 以下は事実ではなく私の推測ですが、そんな笠松を実家に帰してしかも入院までさせたのはNHKによる不祥事隠しではないのか。県警で一晩話を聞かれている笠松から、NHKは20分しか事情聴取をしていない。「本当のことが出てくるのが怖かった」んじゃないですか?それは「本当のこと」にNHK自身がかなり確信を持っていたからでしょう。


 だったら犯人隠避じゃねえか。場所提供なら隠匿だし。もう一歩踏み込むなら、談合のなあなあ村社会には当然県警も入っているわけで、あそこでやめておけば事件にはしないという暗黙の合意があったのかもしれない。にもかかわらず、NHKが隠避じみた行為に出て、岸和田の実家へ笠松を帰したことが県警の逆鱗に触れたのではないか。岸和田まで捜査員を派遣して尾行していたという執念からそんなことも考えてしまいます。


 NHKはしきりに「個人の犯行」と「病気の可能性」を言い募って組織からの切り離しを図っている。しかし、この問題は背景が明らかになるとそれではすまない展開の可能性があります。


 NHKは皆様の受信料で火付けをしております。ふざけるな。この日本放火協会。どははははは。



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