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勝谷誠彦コラム
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2006年2月14日
秋篠宮紀子妃殿下ご懐妊。
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 先週の当コラムを私はこういう文章で結びました。


 <私が直接話した側近中の側近たちからははっきりと聞いている。「安倍さんは皇室典範改定に反対だ」。というのですから。>。


 そう。安倍さんは反対だったんです。しかし彼は難しい立場にいた。典範改定に狂気のように突き進む独裁者首相のナンバー2なんですから。しかも後継者としての指名権は小泉さんにある。次の首相になりたければ反対はできず、かといって思想信条を曲げるのは死ぬほど辛い。


 ここのところの安倍さんの胃の痛そうな様子はそのあたりのジレンマが原因だったわけですね。彼にとって唯一の救いの道は、自民党内でもっと揉めてくれて、今国会への提出が見送られることだったでしょう。そうなれば次の安倍政権では、「拙速にすぎた」ということで10年20年かけた検討という形で、事実上の改定中止に追い込める。首相の座も射止められるし「臣・安倍晋三」としての節義もまっとうできるというものです。


 ところが、ここへきて大事件が起きた。秋篠宮紀子妃殿下のご懐妊。まさに改定反対派や安倍さんにとっては、神風。天祐神助。こういうことってあるんですよねえ。


 実際、この国の歴史は大転回の時に必ず皇室が重要な役割を果たしている。天皇家は政治の外にあって、などと言うが、それは直接的な関与をしていないということであって、実はその存在や微妙なお動きそのものが、轟々と歴史の軸を動かすのです。


 順を追って、当コラムらしく見て行きましょう。まず、なぜ小泉さんがあんなに皇室典範改定に意地になっていたか。どうも彼は男系だの女系だのということに、詳しくなかったんてずね。何しろ資料はA4の紙一枚にまとめろという人ですから。


 そんな人物でも首相になったものだから、宮中の行事に招かれる。行事とは退屈なものです。オペラでは何時間でもがまんできる小泉さんだが、行事ではいつもイライラしていたらしい。そこで陛下が祭祀をなされている賢きところを指さして「あそこで何をしているんだ」などと不敬なことを言ったと伝えられている。


 そういうことが重なるうちに小泉さんの中で「宮中改革」という欲望が出てきます。ましてや歴史に名を残すためなら金正日と握手でもする男です。2665年続いた皇統にメスを入れると、皇統を簒奪しようとした弓削道鏡以来の歴史上の有名人になれる(笑)。私はそれは不名誉な方の有名人だと思うんだけど、彼はそう考えないんだな。


 そこである日小泉さんは言いました。「郵便局の次は皇室典範の改革だ」。凄いですね〜。郵便ポストの配置変えみたいな事と、この国の背骨を形作る皇統への介入があの人の中では一緒なんですから。


 顔色を変えたのが、保守政党たる自民党内の尊皇派です。そんな馬鹿なことをやらせるわけにはいかない。そもそも小泉さんの親玉の森喜郎さんはかつて「神の国」発言で失脚しそうになった人ですよ。「神の国」なのは、神武天皇以来の男系が続いているからという認識が根底にあったはずだ。その派閥が出した首相が、皇統を断絶しちゃうと日本は「神の国」じゃなくなっちゃうでしょうが。


 何人かが小泉さんに意見をいたようです。さあ、これが逆効果になった。あのヒトは反対されると依怙地になる。意地になる。ハルマゲドンを起こしてすべてをぶっ潰したくなる。「勉強しろ」「仕事に行け」と言われると部屋の中のモノを投げつける、ニートひきこもりと同じです。そうか。小泉政権というのはひきこもり政権だっんだ。どははは。


 「典範解散」なんてやられてはたまらないと自民党内もシュンとなったところへ、小泉さんはとんでもない「情報操作」をはじめました。「典範改定は天皇陛下のご意志でもある」といったことをリークしはじめたのです。いや、リークなんてもんじゃない。「偉大なるイエスマン」武部幹事長は公の場で、堂々とそう言っている。


 さあ情報戦が始まりました。こうなると皇族方も黙ってはいられないというわけで三笠宮寛仁親王殿下が『文藝春秋』で男系を守れとご発言になる。それにたいして朝日新聞が「黙れ」とかみつく。小泉さんの情報操作こそが天皇の政治利用だと思うんですがね。


 私の漏れ聞くところ、陛下のご意志は典範改正反対にあられた。政治家が皇室の伝統と歴史に介入することにやんわりと不快感まで示されていた。


 寛仁殿下のご発言は、むしろそうした陛下の叡慮に思いを致してのものだったのではないか。そして、この叡慮は典範反対の尊皇派とでもいうべき政治家にも恐らくは、漏れていたはずです。もちろん安倍さんにも。


 情報戦の一方で、今度は地上戦です。紀子妃殿下のご懐妊がこの時期だということを「偶然」だと考えるのはあまりにナイーブすぎるでしょう。具体的なことは不敬にさわるので避けますが、ある種の計画性があったことは考えられていい。そしてそのおめでたい結果は「1月中旬」には一部の尊皇派には漏らされていたのではないか。


 歌会初めでの秋篠宮ご夫妻のコウノトリの歌はもちろん、ご慶事を踏まえてのものでしょう。あるいは少なくとも、成功の予感を込めてのものでしょう。皇室典範改定をもくろむ「侮皇派」への、それは高らかな宣戦布告だったのです。


 私が思うに、この経緯を安倍さんは知っていた。だから、1月半ばから彼の表情には余裕が出てこの問題への答弁にも安定感があった。かつ、いかにも時間をかせいでいるふうにも。


 そして、2月5日です。予算委員会にご懐妊のメモが差し入れられた時の小泉さんと安倍さんの対照的な反応!「えっ」と驚いた小泉さんは「秋篠宮?」と言っています。ほぼ同時に覗き込んだ安倍さんは驚きもせず頷いている。情報を持っている人間と持っていない人間の違いです。「小泉劇場」の最後の舞台で、主役の小泉さんは演じることができず「素」で反応してしまったのです。役者失格ですね。


 まさに情報戦の結果の勝者が誰であったかを示した名舞台でした。


 これで権力は安倍さんへの委譲が進むでしょう。典範改定見送りを言い出した小泉さんはその時点で、レイムダックになりました。彼が、北朝鮮を使ったサプライズを、これでも更にやるか、あきらめるかはわかりませんが、売国的サプライズをやった場合、彼はこれまでの名声まで歴史の上からすべてを失うでしょう。


 一方で、中国や韓国、北朝鮮は舌打ちをしているに違いない。皇室典範改定を使ってまで彼らは、日本の政界に手をつっこみ、なんとか媚中派、親韓派、売国派の中から時期首相を作ろうとしていました。秋篠宮家の慶事は、それをすべて吹っ飛ばしてしまったのです。イザという時には空母何隻、いや核武装よりも、日本の皇室は強い存在であることを、わかってもらえたでしょうか。




 週の半ばに鳥取に行ってきました。おいしい情報も提供する当コラムとしては、屈指の名旅館「岩井屋」 http://iwaiya.hp.infoseek.co.jp/ と鳥取市内の寿司屋「すし銀」をぜひ紹介しておきたい。まだ3月末ごろまでは松葉ガニのシーズンです。カニを食べるならぜひ鳥取まで行くことをおすすめします。産地で吟味したとれたてのカニは、あなたが食べているのとは別の生物だと言っておきたい。せっかく高い金出して食うならホンモノをぜひ。いや、何がニセモノとは言いませんが、知ってしまったんだなあ。わははは。


 鳥取県では何をトチ狂ったか名知事・片山善博さんが提出してしまっていた人権条例がきっちり永遠にお蔵入りとなりました。これは永田町の利権外道どもが提出を企んでいる人権擁護法案の廃案に向けて素晴らしい出来事です。地方で出来なかった法律をなぜ中央ができるのか。世の中、いろいろと少しづついい方向に向かっているようです。




 え?オリンピック。そんなのやってたっけ?ウェブでのニュースはいいなあ。こうやって逃げられるから。莫大な金をかけてトリノに人員を送り込んだ大メディアの方々は、メダルひとつもとれなくても、何か報じなきゃいけないから大変。視聴率も下がっているようだしメディアにとっては「トリノ不況」じゃないでしょうか。来週は少しはこっちの話題に触れられることを祈りつつ。




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