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勝谷誠彦コラム
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2006年2月21日
堀江メール爆弾。
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 堀江貴文容疑者から自民党の武部幹事長の二男への3000万円振込指示のメールを、民主党の永田寿康議員が暴露した瞬間、衆議院予算委員会には「おおっ」という声が上がりましたね。たるみ切った国会で、久々に緊迫した場面を見ました。


 私が注目したのは、そのあとの自民党の対応があまりに迅速だったことです。武部さんはすぐに会見した。これは明らかに顔に動揺が見てとれた。


 竹中さんも記者に聞かれていたがいつもの調子ではなかった。堀江を直接的に応援した二人が二人とも尋常な顔色ではなかったのです。ところが、小泉さんは例によってカエルのツラに小便でなんと「ガセネタ」という言葉までつかった。これは言わずもがなでしょう。公党の質問に対して「ガセネタ」と言ったこの瞬間から、送金メール案件は、民主党と自民党のお互いにとって、ガチンコになったのです。


 もし永田質問がガセであれば、自信を持っているという前原代表のクビはとぶ。もし本当であれば、小泉発言によって、これは武部さんのクビですむ問題ではなくなった。内閣が吹っ飛ぶことになる。


 小泉さんには「さあ、国会でよく調べてもらいたいですね」とかわす手もあったのに、なぜここまで踏み込んだのか。もちろん、依怙地になる彼の性格もあるでしょうが、今回の発言は比較的冷静だった。



 私には3つのケースが考えられます。


 ひとつは、ホントにガセである場合。しかし、それならそれでもう少し時間をかけて絶対に大丈夫だという確証を待つだろう。あるいは、自民党内では一度話題になって調査を済ましているか。だったらそんな人が幹事長の座にとどまってはいないでしょう。


 もうひとつは、ホントにホントなので徹底的につっぱって隠蔽しようとしている場合。どちらにせよ、ホントだったら内閣は吹っ飛ぶんですから、否定するしかない。どうせ否定するなら、強くでる。世論だけで政治をやってきた小泉さんには、どうということのない演技でしょう。


 もうひとつは、かねて私が書いてきたように、武部のみならずひょっとすると竹中まで切る覚悟を小泉さんが固めている場合。そこまでの犠牲は「想定内」と言いたいのでしょうが、もしホントに金が流れていたなら、さきほど書いたように被害はそこでとどまりますまい。もしそういう計算で「ガセネタ」と言ったのなら、小泉さんは防衛線を読み誤ったことになります。



 では民主党はどうか。国民みんなが不安になるのは私にはよーくわかります(笑)。投資事業組合に自民党議員がからんでいるという、鳩山発言も、結局あのままでしたからね。しかもあれは院外だが今回は、国会の表舞台てる予算委員会での出来事。「間違いでした」では済ませされません。いかに、懲罰動議5回と最多を誇り、記者にも嫌われまくっている永田議員とはいえ(失礼・笑)鉄砲玉というわけではない。質問内容はすべて、党のチェックを通っているんですから。


 だからメディアが党の幹部に「自信があるのか」と聞くほどバカバカしいことはない。自信がななければ自爆行為なんだから。しかし、その自信の根拠を民主党の幹部は、党内でも明らかにしていない。そのために私が接触した幹部でない議員たちは、みんな疑心暗鬼になっていました。


 メールそのものの真偽について、メディアはさかんに書いていますが、私から見ればそんなものはどうでもいい。自民党はむしろ、あのペーパーの真偽に国民の注意を振り向けようとしていますが、送金の事実があるかないかが問題なのであって、目の前に出されているペーパーは入り口にすぎないのです。


 ペーパーに関して言えば、私は「再現ドラマ」だと思っている。各文章の文頭が乱れていたりして、切り貼りっぽい。フォントの乱れもある。しかし、「堀江の文体ではない」とか「署名はしない」とかいう指摘は、いずれも根拠薄弱です。出されたのが本当に選挙戦のさなかの広島でだとすれば、どういう方法で打ったのかわからない。ひょっとすると、口述で誰かのパソコンで打たせたのかもしれない。繰り返しますが、問題は「本当の金の動き」なのです。さてここから深層に入ります。


 どうも、自信満々の民主党が握っているのは「人」のようなのです。つまりは、堀江が送金を指示した相手。それは、逮捕された4人と熊谷クラスの、もうひとつ下のレベルの人物らしい。


 以前も触れたかもしれませんが、宮内以下の連中はいくらでも検察に対して謳えるでしょう。彼らは金の「入り」を管理していたからです。しかし堀江は謳えない。「出」を握っていたからです。「出」について喋ることは、マネーロンダリングの行き先を示すことになる。闇の勢力の具体的な名前のみならず、彼らが得ている利益を失わせる可能性もある。堀江が一生刑務所に入っていられるならいい。しかし、いつかは出なくてはいけないのなら、その後も生きていたいと思うでしょうからね。


 民主党が押さえている人物がいるとすれば、それは堀江の下で「出」の実務を担当していた人間です。ある意味では堀江よりも様々な名前を知っている。沖縄での野口英昭さんの死がもしあるメッセージだとすれば、それはこの人物に「喋るな」と言っていることに尽きる。その人物に喋らせようというのだから、民主党が慎重になるのは当然なのです。国政調査権の発動も含めて、これは国家が証人を守るという意志を示して行うべき案件であり危険さである。もし民主党がホントの阿呆でなければ以上のような状況だと私は思うのですが。


 もうひとつ今回異様なのは検察の動きです。特捜部の伊藤次席検事は堀江メールについて「把握していない」と即座にコメントした。『ザ・情報ツウ』でご一緒している江田憲司代議士は首相秘書官として官邸にいた人ですが「捜査中でもありきわめて政治的な案件について、特捜がこんなコメントをすることはありない」と言っていました。まさに異例中の異例なのです。


 ここで情報ツウ(番組ではない・笑)が私にささやきます。「堀江メールを民主党リークしたのはむしろ検察ではないか」と。そのアリバイつくりと後ろめたさが、伊藤次席の発言になったのでは、と。


 確かに、堀江逮捕以来の検察からの情報リークは異様でした。ほとんど毎日のように新聞は検察情報で、取り調べ室の様子までもが見てきたように報じられていた(笑)。これを、元検事のある人物は「検察の自信のなさの現れ」と見ます。


 「特捜は、かなりしっかりとした絵を描いて強制捜査に踏み切った。ところが、直前の証拠隠滅もあって、その絵が書き切れていない。かなり無理線でやるためには、世論のバックアップが必須。そこでしきりにリークをしている」。


 大きな絵とは、政治家までを視野に入れていると思える。その政治家は武部さんなのか、あるいはもっと大物なのか。おっと、武部さん失礼。あなたは大幹事長の超大物でしたね。わはははは。


 別の司法関係者が言う。「ホリエモンの応援に確かに武部さんは行ったけど、それは終盤。最初に行ったのは、竹中さんなんだよなあ。無線LANの認可の件もあるし…」。


 一説には、堀江メールのリーク元は財務省関係者だとの声もある。財務省中心の支配体制を壊す竹中さんへのリベンジです。しかし、そんなことでリベンジしてまた役人中心の日本になるのもイヤだなあ。


 まあ、要するに問題はあのペーパー一枚がホンモノかニセモノかということではないということです。あるいは、政治家個人への金の流れだけでもない。


 あの「悪質リフォーム詐欺選挙」でどのサイドにどれだけの金が流れ込んだのか。それこそが「大きな絵」であって、民主党も特捜部も、ぜひたどり着いていただきたい。


 片山自民党参院幹事長はこの段階での国政調査権の発動について「(ここでの発動は)調査権の権威にもかかわる」と言った。


 冗談ではない。ここで発動できないようなら逆に調査権の権威にかかわるでしょうが。やましいことがないなら、とっとと両党で決めて発動することです。




 またひとネタで紙数が尽きてきた(苦笑)。滋賀県で中国人女・鄭永善が何の落ち度もない私たちの同胞の幼児二人を殺した事件です。鄭は、黒竜江省ハルビン生まれ。6人兄弟の次女。一家で一人だけ大学に行っています。


 年齢からいって一人っ子政策よりも少し前かもしれませんがそれでも6人の子持ちの家族に対する目は厳しかったろう。そんな中で、子供に対する異様な執着が出来たことは想像の範囲内です。


 とはいえ、犯行の残忍さは常軌を逸している。やはりある種の精神の病でしょうね。広島のペルー人といい、今回の中国人といい、外国人だから悪いというのではないが、現状がどうなっているのかは把握しておくべきでしょう。しかも、今回の鄭は、いわば結婚ブローカーが連れてきた女。ペルー人も、ある種超法規的に日系人だけは労働者として入れた結果だった。


 合法的なようであっても、倫理的に首を傾げるようなことを無理してやると、どこかで必ず破綻が来るのです。堀江貴文がそうであったように。




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