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勝谷誠彦コラム
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2006年6月6日
村上ファンドと豪憲君殺害。
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 いやあまあ色んなことが起きた一週間でした。おかげで私のスケジュールはガタガタ。まずは日曜日に秋田の米山豪憲君殺害事件がハジけて、出る予定だった『サンデースクランブル』のコーナーがすっ飛んだ。


 喜んだのは対馬の韓国人「プロ釣り師」どもでしょう(笑)。


 実は私たちが対馬を取材した次の日から、『TVタックル』のクルーも同地で取材を始めていたんです。その結果は月曜日にオンエアされた通りなんですが見ていた方は「あれ?プロ釣り師の話が出てこないじゃん」と思われたはず。


 そうなんです。実は、まさにその取材の前日あたりに韓国のテレビがニュースの中で「対馬に行く韓国人を日本のメディアが問題視している」と、あたかも我々が因縁をつけようとしているかのように報じたらしい。


 そこでプロ釣り師はしばらく様子を見、観光客は「対馬はうちらのものだ」と発言も控えるようになったわけ。


 コトが大ゴトになりそうになるとなりをひそめて、またひっそりと違法行為を再開するというのは温泉街の立ちんぼから始まって、ウラ稼業の常識ですが、それにしても素早い反応でした。


 秋田で畠山鈴香がつかまって、対馬の韓国人がおとなしくなるという、まさに風が吹けば桶屋が儲かるという話。うはははは。


 次に私のスケジュールをぶち壊してくれたのが村上世彰先輩です。ええそうですよ。私の中学高校の1年先輩ですからね、彼は。『スポーツ報知』がそのことだけでコメントをとりに来たくらいなんですから(苦笑)。だから私は容疑者となっても村上「さん」と書きます。またこのことでギャーギャー言う阿呆どももいるだろうけど勝手に言ってろ。


 村上さんがやったことについて私が指弾しないわけではないことは以下を読んで貰えればおわかりの通り。そのことと、先輩に対する礼儀とは別のことですから。


 先週末あたりから村上さんの月曜日3時逮捕説が流れだした。市場の混乱を避けるために東証が閉まってから直後に逮捕状を執行するというわけです。


 今や日本で最も過激な番組『ムーブ!』のNプロデューサーがこれを見逃すわけはない。「番組中に逮捕情報を流せるようにしろ」とばかりに16時からの本番を1時間繰り上げてきた。おかげで、私は貴重な執筆時間を奪われて危うく連載を落としそうになったやないかあ。


 ところが村上さんはもう一歩上手だった。何と11時から東証で記者会見を開いたのです。場所を提供するにあたって東証側は「阪神株のTOBに応じる会見」だと思っていたらしい。ところが、インサイダー疑惑について語り始め、しかも自分の罪を認めてしまった。これ、えらいことです。だって、露骨に株価に影響する記者会見を、東証がオノレの場所を提供してやっちゃったんだから。


 おかげで松坂屋やTBS株は乱高下。だって東証がお膝元で「風説の流布」してるんだから(爆笑)。会見の内容知っていたら、やらせなかっただろうし、せめて関連株は売買中止にするべきでしたね。


 村上さんとしては会見そのものは「してやったり」だったでしょう。検察に話した内容を容疑者が身柄とられる前にベラベラと喋るなんぞ前代未聞。彼としては「公開司法取引」のつもりだったんでしょうね。と同時に、裁判への配慮もすけてみえた。


      

 個人的には「こうして罪を認めて、引退もするんだから身柄はとらないでください」というアピールでしょう。


 組織的には「これ以上つっこんで、投資をしている政治家や官僚の名前が出るようなことだけはカンベンしてね」です。


 私は、辻元清美さんの会見を思い出しましたね。秘書給与を不正に流用していたことを認めると同時にバッジを外してみせた。そのことで検察がカンベンしてくれることを願ったのでしょうが、結果はご存じの通り。


 今回も完全に裏目に出ました。


 実は『ムーブ!』が始まった15時ごろの情報では「村上逮捕は翌日朝イチ」となっていたんです。ところが検察はすぐに動いた。アタマに来たんでしょうねえ(笑)。「あのガキ聴取の内容までベラベラ喋りやがって」てなもんです。


 しかし一方で、同時に逮捕されるとされていた幹部は、身柄をとられなかった。このあたり、取引があったのかどうなのか。


 幹部のナンバー2と言えば丸木強さんですが、彼は国内の責任者なのに大丈夫だった。村上さんと丸木さんは灘の同級生。灘って何も考えていないというか、合理主義というか、机の配置がアイウエオ順なんです。だから名簿が近い奴と、すぐに仲良くなる。「ムラカミ」と「マルキ」も同じマ行なのでそうなんでしょう。こういうコアなことが後輩としてはよくわかる(笑)。


 ちなみにメディアでおなじみの弁護士の伊藤芳郎君は「イ」なので「カ」の私とは隣の机になることが多かった。当時から人権派だった彼がテストの時に答えを見せてくれたおかげで、私はクビにならずに済んだというのは、今明らかになる恐るべき事実です。どはははは。


 ここで、誰も書いていない裏話です。実は私は先月20日にまたまたこれはまだ書けない所要があって母校に行ったんですが、そこで先生がぽろりとこう漏らした。


 「来週の土曜講座の講師に丸木を頼んどるんや」。土曜講座というのは、阿呆生産官庁の文部科学省が土曜日の授業をなくしたために、アタマに来た灘が独自にやっている授業です。各界の先輩なんぞを呼んで、講義させる。私も「文章を書いて食うということ」なんて話をしましたっけ。


 そこに丸木先輩がやってきて「投資について喋る」と聞いて、元週刊誌記者としての私は胸の中で「おっ」と思いましたね。


 だってその時点では村上さんはシンガポールにトンズラしていて、ファンドの窓口となっているのは丸木さん。彼とは誰もが接触したがっていた。それが、27日の午後に灘校に確実に現れるというのはこんなにおいしい話はない。


 思わず週刊誌の編集長や番組のプロデューサの顔がいくつか浮かびましたが、その私の表情を見てとったのでしょう。先生が不安そうな顔をする。それを見た瞬間私は卒業生に戻りました。


 「先生、そんなこと外で喋らん方がええですよ。私だからええけど、マスコミがスクラム組んできまっせ」。


 というわけで、今ここで始めて私は明かしたわけです。えらいでしょ(笑)。


 いや、自慢したくて書いたんじゃない。つまり丸木さんはわずか10日前の時点で、メディアに見つかる危険を冒して母校で講演するほど余裕があったということです。


 これをどう見るかは、それぞれの専門家にお任せしますがね。


 村上さんについては今後もおいおい書いていきますが、ぶっちゃけ今の私の感想を一言で言うなら「人生丸ごと売り逃げやないかあ!」です。「投資であって売り逃げではない」とは彼がいつも言っていたことですが、今回株の世界から引退するったって、もう既に何百億も稼いだあと。金に色はついていませんから、逮捕されようと何しようと、民事で訴訟を起こされないかぎりは、死ぬまでもう働く必用はないわけでしょう。


 それって、究極の「売り逃げ」やないでしょうか。うらやまし…おっと、ケシカランですなあ、先輩。どはははは。



 秋田の豪憲君殺害事件は、23日のこの欄に私が書いていた通りの人物が捕まりましたね。これまて自慢しているのではなく現場の記者は「ほかにありえない」と最初から思っていたそうです。なのに一時期ちょっと揺り戻しが来て「鈴香さんのいい分」を人権にビビったメディアが流してみたりしていた。恥を知りなさい(笑)。もっともテレビ的にはそのいい分を今モザイク外して利用できるのでおいしい話なのですが。


 鈴香を追い詰めるのは、死体遺棄現場での目撃談とタイヤ痕になりそうです。テレビのモザイクが外れたことで、あの場所で白い車の中に鈴香がいたという目撃者が出てきはじめた。自宅前でトランクをしめているところも見られているので、状況証拠は真っ黒でしょう。問題は動機ですね。


 動機を探るにはどうしても彩香ちゃんを誰が殺したのかを解明しなくてはいけない。待っていたかのように鈴香についた人権派の弁護士が気になりますが(笑)以下は現場の記者たちからの情報として書いておきましょう。


 県警との会見で場に緊張が走ったのは「彩香ちゃんに保険金がかけられていたか」という質問が出た時です。県警の答えは「それには現時点では答えられない」でした。否定しなかったのです。


 だとすれば鈴香本人なのか、共犯者がいるのかはおいてもわかりやすい犯罪となりますが、ではなぜ事故として「完全犯罪」に成功したのに豪憲君を殺したのか。また、せっかくうまく行きそうなのに、ビラ配りなどをして寝た子を起こすようなことをしたのかというのが根本的な疑問として湧いてきます。


 ここで記者たちが目をつけたのが「犯罪被害者給付金制度」です。彩香ちゃんが事件で殺されたとなると給付対象となり最高で1573万円が受け取れる。もちろん親族による犯行ではダメなんですがね(苦笑)。


 鈴香は欲をかいてこれを狙ったのではないか。だからビラ配りをし、それでもダメだとなるとあたかも連続殺人犯がいるかのように、豪憲君を殺してみせたのではないか。


 彩香ちゃんの時と同様に川に遺体を捨てて見せたのも「連続殺人」に見せかけようとしていたからです。


 これが事実とすれば鬼畜としか言いようがない。県警は共犯者も視野に入れて慎重に捜査を進めているようです。


 というのも、パチンコ店で働いていた鈴香は優秀な従業員で、ちゃんと給料を貰っていた。にもかかわらず多重債務を背負って自己破産している。その金は一体何に使ったのかとういことです。


 既に鈴香の周りでは「スキンヘッドの男」「黒い車の男」などに加えて驚天動地の人物までもが関係あったのではないかと噂されている。


 今回立てこもっていた実家にいれば金もかからずに便利なのでなぜ鈴香があの住宅に固執したか。彼女があそこである種の「商売」をしていたという情報もある。


 まあ、どこをとっても下流社会のコンテンツのデパートのような犯罪です。


 殺された二人の子供はどうにも浮かばれないよなあ。




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