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勝谷誠彦コラム
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2006年8月9日
亀猿馬鹿騒ぎ。田中さん敗北。
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 あ〜、もうホントに大変な一週間でしたよ。前半は亀田興毅とかいう猿ボクサーについてたまたまちょっと喋ったばかりにどえらい騒ぎに巻き込まれちまった。


 後半は長野知事選で負けちゃった。どちらにしてもわが人生に何のプラスにもならない出来事ながら、情報は来るわ来るわ、大サービスできるのに、こんなときに限ってマスコミの方々はおやすみをおとりになる。


 大阪朝日放送の今やもっともラジカルな番組『ムーブ!』は今週と来週がおやすみ。優秀なるスタッフは地団駄踏んでますよ。これだけ世の中が激動している時代でも、高校野球の中継を続けることの方が重要だと考える人々のために、あたら世に有用な情報が時の堆積の中に埋もれていく。


 時代の先端を行くようなことを言っていても、大株主にして大会主催者の朝日新聞の考え方なんてその程度のものということです。新聞の拡張に行って、高校野球の話が出来ることの方が、ずっと大切、というね。


 本来なら月曜日は『スッキリ!』のあと大阪に移動しつつ『アサヒ芸能』を書いてそのあと『ムーブ!』。月曜日は朝からさまざまな原稿書きつつその15時の『ムーブ!』スタジオ入りまでの間にこのコラムも執筆するのですが、『アサヒ芸能』も合併号で休みだしそもそも『ムーブ!』がないので大阪に行かない。こうなるとリズムが狂ってしまっていつもなら15時までに入れるこの原稿がまだ届かずに、スタッフはイライラしていることでしょう。


 まあ、これだけ締め切りを忠実に守る著者は珍しいんだから、たまにはちょっとイライラさせてやれ。わはははは。




 いや、ホントはもう少し早く書き上げて送るはずだったんですよ。ところがさきほど15時ごろに電話がかかってきた。


 田中康夫さんだった。


 あとで書きますが、私は落選が決まって目顔で挨拶をしたあと、そのまま支援者たちが集まっていた会場をあとにしていた。何しろ、数時間後には東京のスタジオで『スッキリ!』した顔で座っていなくてはいけませんでしたからね。


 そのあとメールでやりとりはしていたが、話をするのは初めてだった。


 田中さん、『スッキリ!』していましたよ(笑)。


 「メールが1000通ほども来たけどさぁ、バカだの何だの書いていたのは5通だけ。あとは『すみませんでした』とか『長野県民であることを辞めようかと真剣に考えている』とか、自責の念にかられたようなのが多かったなあ」


 と笑っている。


 まあ、支持者だからこそメールを送るんでしょうが、私のところに来たメールでも、やはり残念モードが多かったですね。だったらもっとまわりを連れて投票に行けよ、と言いたいですが。うえ〜ん(笑)。


 二人して「そうそう!」と笑ったのが、「うちの自治体に来て下さい」というメールが多かったという話。


 私のところもそうですが、田中さんのところにも大阪市民からたくさん行ったようだ。大阪市民、バカじゃないですね〜。よく研究しておられる。


 私のところに来たメールでも、もっとも鋭く指摘していたのが、田中さんが同和対策予算を、相手側との真摯な論議の結果、バッサリと切ることに成功していた点だった。ご存じのように、大阪は同和の名前のもとに、しゃぶられるだけしゃぶられていたことが明らかになっていますからね。今の市の幹部では、太刀打ちできないと、賢い市民は考えているのでしょう。




 8月6日、私は午後イチの「あさま」で長野に向かいました。まず軽井沢で降りて、旧軽公民館に向かって投票する。


 旧軽井沢銀座は人であふれていましたが、これはみんなよそから来た人々。テニスコート裏の公民館はガランとしていて、ほとんど有権者が来ていない。このあたりで、ちょっと嫌な予感がしましたね。


 ご存じのように、今回の選挙では、告示と同時に、とんでもない大水害が長野県を襲いました。田中さんは知事として陣頭指揮をとり、前半はほとんど選挙運動というものが出来なかった。


 その一方で中央から大臣が来て、田中さんと同じ公用車に乗ったら、選挙への好影響を嫌って、わざわざ田中さんの携帯に電話が来て、「大臣を降ろせ」と言ってきた。首相官邸から飯島秘書官が自分で電話してきたんです。よくやるよな(苦笑)。


 このときに、今度長野県知事におなりになる、村井仁なるもと防災相は、災害について「天の戒めだ」と言った。


 本人は田中さんの脱ダムを批判しているつもりでしょうが、オノレが防災相をやっていた時の治水もまた試されているのにどの口で言う。おまけに、現にまで行方不明者を捜索し、被災者の方々が呆然としているというのにですよ。


 ちなみに、今回「脱ダム」の論議となった地域では、田中さんはの票は相手を圧倒していた。つまり、これだけの豪雨を体験しながら、当事者の方々は「脱ダム」を支持したんです。となれば、誰のためのダムかということになる。


 言うまでもなく利権談合共産主義の土建屋とその周辺に群がる連中のためだということがよくわかりますよね。そのせっかくの利権も、中央のゼネコンが過半を持っていってしまうというのに。


 気の毒な人たちです。それでも、田中さんは勝てなかった。


 ひとつには、日本人の中でものごとの「優先順位」がわからなくなっているんでしょうね。田中さんの人柄とかパフォーマンスへの嫌悪感と、子供たちに残す県土100年の計とどちらが大切なのか。


 北朝鮮のごときメディアの縛りがある中で、一般の県民がそうしたことを知るのはなかなか難しいだろう。だからこそ、田中さんの謦咳に接する人々がそのことを説かねばならないのに、最初にかついだ連中は早々と逃亡した。いい歳をして、ガマンということを知らないのかと言いたい。


 ご存じの方もいるかもしれませんが、私は減感差療法という治療法で、花粉症を治しました。これは、最初の半年ほどは週に一度、そのあとも月に1度は必ず注射をしなくてはいけない。


 大変な持続の根性がいる治療法なのです。先生にいわせると「最後までやりとげられるのは1割くらい」だそうだ。


 ちょっと自慢させていただくならば、私が自分のサイトで書いている日記は、6年間一度も休んでいない。たとえ地球の裏側にいようと、弾が飛んでくるれような場所にいようと、通信衛星をつかまえてでも、かならず更新してきた。


 継続の力というものを馬鹿にしない方がいい。そして、最初は苦くても薬を呑み続けるということの大切さを、知った方がいい。


 これは長野県の人々にだけ言っているのではない。目先の馬鹿踊りと利権欲しさに、良薬を呑み続けることを拒む愚民が、まもなくこの国を滅ぼすことでしょうからね。


 さて、私もそろそろケイマン諸島にでも逃げましょうか。おっと、もうホントの利権を持っている連中は、とっくにそうしてましたね。


 ライブドアと匿名組合にからむ政党の…おっと、つるかめつるかめ。




 あとは何でしたっけ?そうか、亀さんでしたね。誰かが「亀甲縛り」ならぬ「亀興芝居」だと書いていましたが、うまいこと言うなあ、と(苦笑)。


 私はきっと無知なんでしょうね。「よく大胆な発言しましたね」なんてメールがよく来るけど、知らないから当たり前のことを言っているだけなんです。


 試合が八百長だったのだろうということは、天下の朝日新聞のスポーツ面に、西村欣也解説委員がお書きになっておられるくらいだから、今や世間の常識なのでしょうが、私にとっては逆にそんなことはどうでもいい。まこともに敬語を使えず、神聖な場での礼儀すら弁えていない19歳を、なぜ父親やボクシング関係者やマスコミがここまで野放しにして、付け上がらせてきたか。そのことにこそ、問題があると思うのです。


 採点がどうこうとか、誰が買収されたとか、試合の日程がヘンだったとか(笑)そんなことはまあどうでもいい。どうでもよくはないけど(笑)。


 それ以前に、ああいう存在を野放しにするメディアそしてそれを喜ぶ国民そのものの品格というものを私は問いたい。


 たまたま亀田はボクシングでしたが、同様の存在は、さまざまなジャンルでテレビの上で踊っているではないですか。え?おまえもそうだって。すみませんね。わはははは。


 もっとも、占い師やタレントがいかに下品でも、まあ日本国内だけのことだ。それから命のやりとりもない。しかし、ボクシングというのは国際社会が注視している。しかも、一歩間違うと、相手を殺してしまうスポーツです。それなのに、リングの中では傷害罪も殺人罪も適用されない。


 それだけの特権を持ってリングに上がる以上、自らの行為の犯しがたい神聖さというものを自覚するべきだ。そういう意味では、ボクシング界こそが自浄作用を働かせて、ああいう代物をリングにあげてはいけないのです。


 ところが、ボクシング関係者の奥歯にはいろんなモノが挟まっていたなあ。


 毅然と忠告をした具志堅用高さんのところには、脅しも来ていると聞いている。こういう卑劣なことを許してはいけない。


 TBSのラジオで試合の当日に私が亀田親子の態度について批判したことを「勇気がある」と言う人がいますが、何の、臆病だからTBSでやったんですよ(笑)。


 あの試合、どっちに転んでもいいようなシナリオがあったとも仄聞しますが、TBSとて逃げ道は欲しいわけです。もうちょっとここまでズブズブだと無理かもしれないけど。私としては、TBSのためにも保険をかけてあげたつもりなんですが、それがわかるカンのいい幹部がどれほどいることか。優秀だったのは『ストリーム』の現場スタッフですよ。彼らには社長賞あげてもいい。


 まあ、ルールを守ることができず、倫理の底が抜けているという点では、亀田事件は今の日本の鏡そのままだったですね。


 そして、ここでも「鏡」であるならば、さまざまな疑惑はウヤムヤになって行くでしょう。


 ライブドアや耐震偽装がそうであったように。


 やっぱりケイマン諸島へ…どははははは。




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