|
あーびっくりした。
安倍内閣のあまりのひどさです。最初に言っておきますが、私は安倍晋三さんには期待しているんですよ。中国や韓国や北朝鮮とはまっとうな外交をやり、国内的には堕落しきった国民に日本精神を注入してほしい(笑)。それだけに、アブない連中を自民党執行部や閣僚にすることで、しょうもない躓きをしてほしくないのです。
もうあちこちで書いていたのでサラっといきます。私はこの内閣を関西のテレビでは『薄汚い内閣』東京のメディアでは『美しくない内閣』と名付けました。もちろん、腰の引けた東京のメディアへの皮肉です(笑)。ここでは一歩進んで『サラ金内閣』と名付けておきましょう。
何しろ酷い。柳沢伯夫厚労相と、甘利明経産相は、サラ金の政治団体のパーティ券購入リストの、金額順に上から一番目と二番目だ。ここまではこれまでも書いてきましたが、またひとつサラ金がらみの黒い話が入ってきた。
誰とは書きませんが内閣の要となるべき大臣が(苦笑)大手サラ金から直接の献金を大量に受けているらしい。これは金貸し業界との癒着で何か起きるな、と思っていたら、別のところで早くも爆弾が破裂した。やるならこの人と思っていた松岡利権もとい利勝農水相です。
福岡の出資法違反でガサが入った団体にパー券を100万円買ってもらっていた。「西の宗男」と言われるこの方は、BSEがらみの牛肉買い上げからウルグアイラウンド資金に至るまで、あらゆる利権の場に名前がでます。
実は小泉内閣でも入閣の噂はあったのだが、「身体検査」でいくらなんでも危ないだろうとやめたという経緯がある。それを堂々と入れるんだから、安倍さんに勇気があるのか、派閥の推薦を断るだけの力がないのか。なにげにヤバいのが伊吹文明文科相。
先週書いた通り、「酒と女の自民党執行部」ですが、中川秀直さんのあの時のスキャンダルというのは、『FOCUS』のバックナンバーを読み返すにつれてもひどいですね。愛人や右翼とのつながりなんて、国会議員の中にはいくらでもいるでしょうが、最大の問題はその愛人に薬物を巡る警察情報を漏らしていることだ。
で、改めて秀直さんが官房長官を務めていた第二次森内閣の名簿を見て驚いた。国家公安委員長が伊吹文明さんじゃないですか。
警察情報を得ていたのは、官房長官になる前で、その時の国家公安委員長は違いますが、警察とのズブズブということで考えれば、この人事はなかなかイミシンである。しかも、愛人に捜査の手は及ばなかったんだから。そして、今回人事権を握る幹事長になった秀直さんが、伊吹さんに閣僚のイスを与えた。どうも嫌な感じですねえ。
官邸には比較的まっとうな人材を集めたことを見ると、安倍さんはどうも人事権を古い自民党にとられている感じがする。つぎつぎと爆弾が破裂し続けるんじゃないかな。
この素晴らしい内閣(苦笑)をバックにいよいよ所信表明演説と代表質問への答弁をした安倍さんだが、私はここでも頭を抱えてしまった。安倍さんの言葉の耐えられない軽さよ。
実は『美しい国へ』を読んだ時もそう思ったんですよ。この人は何をいいたいんだろう。美しい国というなら、美しい日本語はその基本です。それがまったく出来ていない。ゴーストを使ったのなら、もっと筆のたつプロを使えといいたい。私に声をかけてくれればよかったのに。
そう思っていると3日づけの朝日新聞で丸谷才一先生がズバリと指摘しておられた。
<本の書き方が不器用なのは咎めないとしても、事柄が頭にすっきり入らないのは困る。挿話をたくさん入れて筋を運ぶ手法はいいけれど、話の端々にいろいろ気がかりなことが多くて、それをうまくさばけないため、論旨がうまく展開しない。議論が常に失速する。得意の話題である拉致問題のときでさえそうだった>
きっつう。丸谷さんと私は思想信条的には相いれないところもありますが(笑)さすがは日本を代表する作家の筆致です。まだまだつづく。丸谷さんもこんなサイトに引用されているとは思うまい。わははは。
<一体に言いはぐらかしの多い人で、そうしているうちに話が別のことに移る。これは言質をとられまいという慎重さよりも、言うべきことが乏しいせいではないかと心配になった>。
要するに「からっぽだ」とおっしゃっているんです。私が『空気の宰相』と名付けた所以です。当然のことながら所信表明演説も「空気」でした。安倍さんは、自分が考える「美しい国」の形を四カ条にまとめました。いわば安倍政権における『憲法』と言っていいでしょう。それはこういうものです。
<一つ目は、文化、伝統、自然、歴史を大切にする国であります。>
<二つ目は、自由な社会を基本とし、規律を知る、凛(りん)とした国であります。>
<三つ目は、未来へ向かって成長するエネルギーを持ち続ける国であります。>
<四つ目は、世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国であります。>
これを読み解くのは実に面白い。
私は安倍政権は、外に対しては比較的しっかりしたメッセージを出せるものの、内政においてはその哲学があまりに空虚(何度も言っているように『空気』ですね)なために、自己矛盾を抱えて行き詰まると思っています。この『四カ条のご誓文』(笑)にはそれがすべて表れています。
つまり、「三つ目」と「四つ目」には破綻がない。三つ目は、まあ何も言っていないのと同じですから。成長したくない国はないでしょう。
四つ目は中国や韓国に対して毅然として態度をとったり、常任理事国入りを目指したり、またも飼い主に命じられたらポチになったりという、小泉さんが打ち立てて、安倍さんが引き継いだいわば「得意分野」です。問題は一つ目と二つ目だ。
二つ目の「自由な社会を基本とし」。人権擁護法案や共謀罪の提出のタイミングを見計らいながらどの口で言う(笑)。
おそらくこれらの法案はその次の「規律を知る」という言葉にのっかって出てくるんでしょうね。そりゃあ私だって、もっと規律を知っていただきたい。しかしそれと、権力者や闇や外国や与党宗教の勢力が威張り散らす世の中とは別のことです。
いちばん笑えるのが、「一つ目」。安倍さんはこれこそ「美しい国」だと思っているのでしょうが、戦後日本を統治してきた自民党がことごとく、これらをぶっ潰してきたではないですか。
「文化、伝統」だとお?下らない自治体合併をゼニでケツを叩くようなやり方で無理やり押し進めた結果、あまりに多くの美しい地名が消えました。そのかわりに漢字を書けない低能むけにひらがなの地名が溢れている。
地名とは郷土の最大の文化にして伝統です。それをぶっつぶしておいて、なにが大切にだ。日本国のそのものの最大の文化であり伝統である皇室の男系継承をぶち壊しかけたのも安倍さんの前任者ではないですか。自然。「はあ?」てなもんです。「もしもしっ?」です。
自民党政権の利権のために土建屋主権国家として、日本国から美しい白砂青松の海岸を奪い、ことごとくテトラポットで薄汚く固め、天然の川をほとんど失くしたのはどこのどいつだ。安倍さん、あなたのお父さんやお祖父さんたちがやってきたことでしょう。
歴史ですって?学校の教科書をどんどんペラペラにして、古事記や日本書紀も読まさず、夏目漱石も森鴎外ものせない、どこが歴史を重んじる国ですか。
馬鹿も休み休み言え。まず自分たちがやってきたことの総括をするところから、所信表明をやったなら、私は少しは立派だっと思ったでしょうにね。
安倍さん、お願いですから、もう少し「言葉」を大切にして下さい。保守とは、美しい国語を守ることから始まるのです。『再チャレンジ』などと言わずに『復活』と言えばいいではないですか。そもそもチャレンジというのは成功する確率の低いものに挑むことだ。
身の丈を知らずに一度失敗した馬鹿に同じ間違いをしてもらうと、地道に生きている良民常民は迷惑です。日本語だけではなく、言葉を正しく使いましょう、総理。
まあ、民主党もねえ(溜息)。代表質問でしきりに安倍さんの歴史観をついているけど、昔の社会党みたいな揚げ足取りはやめましょうよ。今度の中国と韓国の歴訪で、間違いなく関係はよくなります。
だって、あいつら、歴史観なんて因縁の材料だけで、もともと真剣に考えてないんだもの。そんなもう古い戦術を今頃民主党がとっても仕方がないんですよ。安倍さんは自分から靖国参拝云々を言う必要はありません。ただしやめろと言われるときっちり拒絶することだ。
踏み込んで言えと言っている「空気の宰相」の空気を吸いに来ているような心情保守活動家の言うことを聞く必要はありません。この手の連中がすり寄って安倍さんにいろいろ囁くのがいちばん心配なんだ。外交カードというのは切るのは遅くていいのです。あいまいな不安さを敵に残しておくのがベストです。
その民主党の細野豪志センセイ。山本モナちゃんも私はよく知っているから、いささか気の毒ではある。それにしても脇が甘すぎるよなあ。細野さんは京都行きがどういうやり方だったかが今後の展開のキー。京都での目撃談もあるので、そうしたものがマスコミを通じて出るかどうか。
モナちゃんに対してTBSは残酷でしょうね。そういう局ですから。フィールドレポーターとういことで、地方まわりを重ねさせ、スタジオにはあまり登場させずにフェイドアウトを図るのではないか。筑紫さんが「膳場さんだけでいいじゃないの」ともともと言っていたと聞きますから。
事件。しつこいようですが、徳山高専の例の女子学生殺し。今ごろになって、犯人からのメールが彼女の携帯に残っていたなんていう話が漏れてきた。
ますます、携帯は現場にあったんだろうから、警察はまず調べるでしょう。最初から真っ黒な容疑者はいたわけで、犯人の身柄もとり自供も得ていたのに逃げられたという話が、信憑性を帯びてきますね。警察としてはここはどうしても隠蔽したいところでしょうが、メディアは忘れずに追及して下さい。
北朝鮮。核実験を年内という情報は、なくはないらしい。小泉さん特使で訪朝という話は朝鮮総連が流しているガセ。
安倍訪中で中国が、六カ国協議にどう出るかです。もっとも胡錦濤も、激烈な権力闘争のさなかで忙しそうですが。
|