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勝谷誠彦コラム
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2006年12月12日
道路特定財源戦争。
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 先日、ある重要閣僚と会食しましたがね、もう「次を見る目」をしていましたよ。安倍政権は、今やガタガタです。


 復党問題で、完全にミソをつけた。なんとか安倍さんを傷つけないような形で軟着陸を図ったわけですが、最後の最後に出てきて「私が責任を持つ」と言うしかなくなった。


 傷つけないために、復党を引き延ばしたのに、それがかえって傷口を深くして、なおかつ安倍さんが傷ついたという、最悪の結果でしょう。


 その参謀長だった中川秀直さんも、指導能力が問われている。


 今、「新四人組」と永田町で言われているのは、その中川さんに森元総理、青木参院幹事長、そして安倍さんです。


 なんという「古い自民党」の顔ぶれ!と言うか、古い自民党の3人組に、安倍さんが見事にからみとられているのがよくわかる。


 前回、安倍さんは小泉さん出現の前に帰っているといって、史上最悪だった森政権を思い出してもらいましたが、森首相を生み出した5人組を彷彿とさせる顔ぶれです。森さんと青木さんなんて、あの中にもいたんだから。しぶといというか何というか、直らない人たちですね。ちなみに、あとの3人は村上正邦、亀井静香、野中弘務。わあああ。凄いなあ。たまたま運が悪くて、村上さんだけ塀の中。野中さんは引退、亀井さんは追放。げに恐ろしきは、自民党戦国史。


 自民党を外から眺めている人たちは大マスコミの前で安倍さんが「責任をとる」と言えば、それでなんとなくカッコがついたように思うかもしれない。


 しかし、地元の自民党員たちにとっては、何もカタはついていない。


 ゴタゴタはこれからなんです。とりあえず、復党したことで、自民党の中央に入る政党助成金は増える。問題は、今度はその行き先です。中央から地方へ出る窓口は支部だ。支部長はもちろん「刺客」たちです。そこへ、復党組が帰ってくる。


 簡単にいえば、「縄張り」と「シノギ」をどの親分が仕切るかということで、極道の世界でも血の雨が降るのはこういう時でしたな。わははははは。




 ちょっと脇道に逸れますが「刺客」というのは往々にして役目が済んだら、時の権力者に逆に命を狙われることが多い。


 しかし、そこはプロです。逆に返り討ちをしようとして、ドラマが生れる。子連れ狼の拝一刀しかりですな。三流はダメだ。土佐の人切り以蔵みたいに、使い捨てで最後は腹を切らされる。


 プロ中のプロは依頼人に裏切られた時の担保をちゃんととっておく。そして、裏切りを決して許さない。


 典型的なのがゴルゴ13です。彼の「ルール」は裏切った依頼人は必ず殺す、ですよね。今回の自民党の刺客の中で、そこまでの担保をとっていたタマがいるとすれば、大したものですがね。


 仄聞するところでは、佐藤ゆかり議員は、かなりのタマのようですな。野田聖子議員に対して一歩も引いていない。


 いや、議員としての実績とか、見識ではなくイジワル合戦ですが。わはははは。


 野田議員は「過去」が出てくると、かなりヤバい。政治家としての過去じゃない。ブイブイ言わせていた、中学高校時代の「過去」です。


 虐めが問題になっているなあ…とだけ書いておきましょう。つるかめつるかめ。




 そういうわけで、内情はガタガタの安倍政権。頼みの綱の金正日大将軍様も、今回はテポドーンとアシストしてくれない。


 仕方ないので、朝鮮総連傘下の科研などに強制捜査をかけてみたりしていますが、大山鳴動ネズミ一匹。こんなところ、いつガサかけてもよかったのが、敢えてこの時期にもってきたところに安倍さんのアセリが感じられます。


 そこへもってきて、更なる巨大な火種をみずから作ってしまった。道路特定財源の一般税化です。


 この問題はなんだか遠い話のように思われがちですが、このサイトらしく乱暴に解説しておきましょう。わはははは。


 まあ、ぶっちゃけた話が「道路を作る金は、車に乗っている奴らが払ってよ」ということです。どうやってとるかというと、ガソリンと車の保有に税金をかける。ほかにもいくつかありますが、これがでかい。


 ガソリンの税を揮発油税、車の保有にかかる税を、自動車重量税と言います。


 どのくらい払っているかといえば、揮発油税がリットルあたり48.6円。重量税が0.5トンあたり6300円です。車によく乗る人は、ガソリン代を通して、優良納税者というわけです。逆に私のような人間は、軽井沢の自宅で買い物に必要なので仕方なく持っているだけなので、重量税などを重く感じる。その他の諸経費を入れて先日計算したら、毎回タクシーで買い物に行った方が安いことがわかりましたがな。ひいいいん。


 このほかにも地方で徴収する税があるんですが、今いった大物二つは、中央政府が使うことができる。


 その額たるや揮発油税で約3兆円。重量税で約6000億円という莫大なもの。


 この法律を最初に作ったのは田中角栄です。天才ですね。自らの政治資金のために、打ち出の小槌を作ったようなものです。


 それ以来、田中派そして橋本派、経世会とこの巨大利権を受け継いできました。


 そこに、安倍さんは手をつっこもうとしはじめた。まさに虎の尾を踏んだんです。


 安倍さんの周囲は、最初は重量税だけに手をつけようとしていた。ところが、イケイケの塩崎官房長官が、揮発油税もやろうと突っ走ったらしい。


 このあたり、裏でどういう複雑な政治力学が働いたかは、ちょっとわからない。ちょうどその時期に、塩崎さん自身も、かなり尻に火がついて。ところが、なぜかそちらのルートはお咎めなしになったようで、食肉業者だけの…。あわわわ。つるかめつるかめ。どははは。




 思えば、これまた角福戦争なんですね。


 小泉さんは、郵政民営化などの「民族浄化」や、道路公団民営化といった、組織をゆさぶる手法で、徹底的に角栄の末裔たる経世会に手をつっこんで、福田さんの遺恨を晴らした。安倍さんは、今度は兵糧攻めをしようというわけです。


 人の恨みというのは怖いですねえ。それを動かす4人組に、森元首相と並んで、青木参院幹事長が入っているというのは、竹下さんが化けて出るんじゃないでしょうか。




 私も、道路特定財源は一般税化した方がいいと思っています。というか、特別会計もできるだけ一般会計化して、企業で言う連結決算をした方がいい。


 しかし、むやみに一般税化すると、そこにまた新しい利権が生れるのは目に見えている。自動車に乗っている人たちの言い分もわからなくもない。


 でもね、それを言うならいままでだって、道路の恩恵は、車に乗らない人も受けてきたわけです。特に、モータリゼーションがここまで発達して、鉄道の役割が、自動車に乗り変わってきている以上、車なしでは乗らないひとたちの生活も成り立たないと行っていい。


 そもそも郵政民営化のきっかけとなったのは、宅配便があれだけ発達して、「これなら民間でもできるんじゃないか」と思ったからでしょう。


 宅配便業者の成長は、今のような道路整備なくしてはなかったわけです。そして、ほとんどの国民はその恩恵を享受している。ネットで買って、宅配便で届く、なんてことを、昔は考えられなかったんだから。


 一方で、環境にコストがかかるようになると、車を使っている人たちには、そちらの負担もお願いしたい。


 つまり、すべてが、最初に法律をつくったころから様変わりしているわけです。


 徴税の方法も、配分の方法も、両方とも考え直した方がいいのではないか。


 流通の恩恵を被っていることを考えれば「流通税」のような形で消費者も一部負担という考え方もあってもいい。高速バスの乗客も、少し払ってもいい。揮発油税は、本来の税率の倍が、特例として適用されています。


 一般税化の車オーナーたちの不満を和らげるために、この部分を本来の税率に戻す。しかし、昔はあまり問題になっていなかった、環境への負荷を考えて、環境対策費への配分は認めてもらう。


 これくらい、柔軟な考え方が必要かもしれません。


 とまれ、安倍さんは、「古い自民党」の最大の利権たる、道路とカネの根本的なところに手をつっこもうというわけです。


 その勇気は偉いかもしれませんが、見合うだけの力と体力があるか。復党すら阻めなかったんですからねえ。


 お手並み拝見といったところですが、ひとつ私が心配なのは、そうやって綱渡りの求心力維持をしている裏側に、「取り引き」がなかったかということなんですよ。




 このサイトでも書きました。福島県での検察の本命は、国会議員だと。和歌山でも書きました。県庁には行かない。検察の目は別の方向を向いている、と。


 結果として外れてしまいましたが、あの時は実際に、信頼のおける情報源からリアリティのある話があったんです。


 ところが潰れてしまった。談合だけではない。さきほど書いたように食肉業者の、大醜聞も、そこで終わり。どうも、嫌なかんじですね。


 もともと中央の官僚や国会議員は、地方分権をしたくない。そのために、地方権力は潰したいという指向がある。特に、道路を巡る利権は、今やほとんど首長の方にいってしまった。


 「やはり地方には任せられない」という機運が高まってくることは、さきほど書いたような道路利権族にとっては、ウェルカムなんです。特定財源とのバーターにこれを使われたらたまったもんではありません。


 和歌山のケースでは、木村知事に渡っていた裏金から、政治家のパーティ券も買われている。時計集めが趣味のような、ちょっと足りない知事は、マネーロンダリングにうまく利用されたのではないか。


 永田町ではそういう話も飛び交っています。もちろん本人は阿呆なんだけどね。




 安倍さんが本気で地方中央を問わずに政界浄化をやろうとしているかを見るには、地元の下関で進んでいる官製談合の捜査を見ればいい。手をつっこんでいるのは山口地検。公取法の改正で、地検レベルでも起訴ができるようになって、それぞれの地検は張り切っています。その張り切りが首相のお膝元で生きるかどうか。


 どうも、捜査が一進一退で動きがおかしい。まるで、さまざまな恒星の重力にひっぱられてふらついている惑星のようです。わははははは。なんでかな〜。




 芸能というか政治ネタ(笑)。そのまんま東さん、宮崎県知事に出ると思いますよ。


 絶妙のタイミングです。自民党は候補者を立てるのにも苦労するんじゃないでしょうか。だけど、芸名で出るのかな。


 だったら県議会での答弁で議長は「そのまんま知事,ご答弁願います」ってやるんだろうか。新聞も「そのまんま知事、就任の会見へ」なのかな。わははははははは。




 緊急追加。


 …なんて書いていたら、奈良県の柿本善也知事が突然、次期出馬せずの発表。途中辞任もあるらしい。地検の臭いが周囲にしてきたのかな。わはははははは。


 後継に地元の荒井正吾参院議員の指名というのもわかりやすい。


 奈良には郵政造反議員として森岡正博さんがいる。この復党問題が煮詰まってきたのが、おそらくこの一連の動きの原因。参院の選挙区をあけて、森岡さんをそちらで出す。で、荒井議員は県知事へ…。


 民主党、なめられてまっせ。




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