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村西とおるコラム
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2007年2月14日
無敵の愛
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 私の知人に、モロッコに渡ってビール瓶大に「偽装」して来た男がいます。本人は得意満面でございましたが、いかんせんモノが巨大過ぎてお相手する女性がなかなか見つかりません。一千億を動かす、と噂される資産家の彼は、こうと目を付けた女性には惜しまず金を貢ぐきっぷの良さは持ってございましたが、なにせビール瓶大でございます。人も羨む絶世の美女とベットを共にしても「金より命が大事」と、ことごとく逃げられてしまうのでございます。


 いかに持ちモノ自慢であっても、「二度とお会いしたくない」と云われ続けた男の無念は、察して余りあるものでございます。見かねて「元に戻したら」進言したりしましたが、本人は頑として首をタテに振ることはありませんでした。彼にそれほどまでに「巨大なモノ」に執着させたのは、童貞を捨てたときの相手の娼婦の心ない一言でした。「小さいのね」その一言が十字架となって70を過ぎても尚、彼の心を串刺しにしているのでございます。


 しかし世の中は広いものでございます。南に大きい、に悩んでいる男が居れば北にも「大きい」と悩んでいる姫君が居たのでございました。それも相手はアノ超有名女優のA・Yでございます。聞けばA・Yの方も自らの巨大なモノ(こちらは天然でございます)が災いをして、これまでお付き合いをしてきた男性のことごとくに別れを告げられる、という辛い経験を重ねていたのでした。


 縁あって一夜を共にした二人は、互いに求めていたものがピッタリと合うことを確認しました。たちまちのうちに意気投合して、半同棲生活を送るようになったのでございます。自分のモノを初めて彼女のソコに根元まで埋め入れたとき、まだ「ゆとり」があったと興奮して語る彼は、少年の目をしていました。


 先年A・Yは代官山に億の金をかけた超近代的デザインの眼鏡店をオープンしました。資金は彼が全部出しました。口さがない者達はA・Yは彼の巨額な資産を狙っている、と噂をしています。が彼にしてみれば、今まさに人生を終えようとするとき、運命的に出会ったA・Yにその財産のことごとくを貢いでも何の悔いがあるものか、の心境でありましょう。


 年の差や貧富の違いを越えて、誰が何と言おうと、互いに必要とし自分でなければ相手を幸せに出来ない、と確信するに至った愛は無敵であります。海の向こうのスミス嬢の死は、無敵を失った混沌の果ての自死ではなかったのでしょうか。






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