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村西とおるコラム
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2008年6月11日
殺人鬼から思ったこと
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秋葉原の殺人鬼に息子を殺された父親が「手前、俺の息子を殺しやがって、おまえも殺してやろうか、の気持ちです」と語っておられました。

むざむざと最愛の息子を殺された親の立場であれば、納得できる気持であります。

こうした犯罪がひどく残酷であることは、殺されたのは一人であっても、その何倍もの数の家族や愛する人間が「生きる屍」として残りの人生を生きることになるからであります。

しかし父親はこうも申されました「息子の死が無駄にならない社会を築いて欲しい」と。

マスコミは今回もこの事件の原因を「社会」のせいとしております。

「社会が壊れているからこうした事件が起きた」果たしてそうでありましょうか。

こうした突然変異の殺人鬼は人間の歴史のなかで珍しいことではありませんでした。

それを「社会」のせいにして「煽る」はマスコミ商売の常套手段であっても事実との乖離は否めません。

むしろ息子を殺されていながら「息子の犠牲を社会に役立てて欲しい」と訴える父親の存在によって、逆説的ながら決して私たちの社会は壊れていないことを再確認でき、

殺人鬼などに私たちの社会を決して壊させはしない、との思いを強くしたのでありました。

統計を見れば、マスコミの煽りとは裏腹に、私達の社会が確実に進化していることは明らかであります。

50年前と比べて人口比の殺人件数はおおよそ30%減となっております。

最近のデータでは平成3年の殺人は1215件、平成19年のそれは1199件、と「殺人」が増えていて「社会が壊れている」事実は見当たらないのであります。

「居酒屋タクシー」に見られるように「社会を壊そう」とする勢力があまた存在していても、われわれの社会は踏みとどまり、なおも前に歩んでいるのでございます。

ちなみに昨年の交通事故による死者数は5700人、50年ぶりに5000人台となっております。

いっときには1万2000人に達する勢いでございましたのに、車の普及率から見れば驚異的現象率でございます。

社会が壊れている、というのであれば米国の銃で死亡している死者数、イギリスや日本の100倍の年間3万人などは、まさに赤色信号、といえるものであります。

中国で蔓延するエイズ問題、少なくとも7万5000人のエイズ孤児が存在する、という事実は「社会の危機」といってもいいものでございます。

諸外国と比べて尚も日本の安全と安心が比類なきものであり続けて欲しい、健全な社会の最大の受益者である手前どもの哀心よりの願いであります。




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