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村西とおるコラム
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2008年6月25日
現在と過去の留置所の違い
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「社会の危機」を声高に云う人達が、その「根拠」としてよく例に上げるものに「犯罪者の検挙率の減少」があります。

がよくデータを見てみますと、殺人や強盗といった「重犯罪」の検挙率は昔と比較してもたいした差はありません。

検挙率を下げているのは今日のドロボーや置き引き犯の犯罪が巧みになったから検挙率が下がることになったのでしょうか。

そうではありません。捕まえる方の状況が変わったからであります。

「代用監獄法の壁」がドロボーの検挙率を著しく下げることになっています。

ドロボーで捕まる犯罪者は出来心でたまたま初めてやったときに捕まった、という「犯罪者」は少数派でございます。

ほとんどのドロボーは捕まるまでに数多くの場所でドロボーを働いております。

百回以上、という者も少なくないのであります。

ですから、一度ドロボーを捕まえたら徹底的にその余罪を追及する必要があります。

ところが最近は「代用監獄」である「警察の留置所」に対する世間の目が大変厳しくなって、起訴後長期間警察の留置所にドロボーを留めて追いて余罪を追及する、という「捜査」が出来にくくなっております。

まだ沢山の余罪があるにもかかわらず、「不当捜査」との弁護士らのねじ込みに抗し切れずに、やむなく「拘置所送り」にせざるをえなくなっているのでございます。

いったん「拘置所送り」となってから継続、あるいは本格捜査、とはならないのであります。

陸の弧島のような小管まで、都心部の警察から取り調べの為に毎日通う、などということは物理的に不可能であります。

その昔、私が少なからずの頻度でお世話になっていた頃には、一年近くも警察の留置場暮しで取調べを受け続けている、というドロボー氏も珍しくありませんでした。

捜査官はドロボー氏にこう言います。

「どこで何をした、などと云う必要はない、どこにいつまで住んでいたかだけを言いなさい」と。

ドロボー氏は自分の住んでいた場所の周辺では必ずひと稼ぎをしています。

それを捜査官は知っているから、いたずらに自白することを強要することなく、住んでいた住所のみを話させ、その周辺の類似の事件を洗い出す作業に専念するのでした。

犯人は目の前に捕まえているのですから、極めて効率的な捜査でありました。

ネズミを捕まえるのにも全力を尽くすライオンを、羽がい締めにするような風潮は改めなければなりません




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