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板垣英文のヲタクロニック・ラヴ
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2008年2月7日
アイドルヲタク映画監督 板垣英文の「ヲタクロニック・ラヴ」

第3回 「腐女子というもの」

腐女子というのは主にやおい(男性同性愛作品)を好む女性オタクのこと。
元々は既存のマンガやアニメ、ゲーム等の美少年キャラ同士を同人誌等で勝手に性愛関係として描いたものが中心だったんだけど、最近ではBL(ボーイズラブ)といった、最初から男性同性愛を前提にした小説やマンガが売り上げを伸ばし、一般化しようとしてるね。
一方、百合(女性同士の恋愛作品)を好む男性という属性もあるんだよな。最近はやはりGL(ガールズラブ)とも呼ばれてるけど、BLほどの盛り上がりはないみたい。


さて、しょこたんこと中川翔子さんも元々住人といわれ、2ちゃんねるで最も発言数が多い(つまり人が多い)とされる板、ニュー速VIPではアニヲタが多くてさ、腐女子を話題にするスレや腐女子と付き合いたい、なんてスレもあるんだな。オタクの男にとって、同じ気質を持つ腐女子に親近感を持つというのも分かる気がするけど。
そういえば非ヲタ(オタクではない)の男子とオタク女子の恋愛をノンフィクションで綴った「腐女子彼女。」というブログが話題になって書籍化もされたんだよね。
最近ではやおいやBL属性でなくても、オタクの女の子はみんな腐女子と呼ぶ傾向にあるみたい。 浦えりかさんやスザンヌさんが所属してる、メンバー全員何かのヲタという中野腐女子シスターズってアイドルユニットもあるもんな。


それでさ、俺が以前専門学校の課題として作った「アカノキズナ」という短編作品に出演して貰ったNAGITEMAちゃん(以下てまちゃん)という子がレイヤー(コスプレイヤー)なんだけど、実際に会うとちょっとエキセントリックな、というか腐女子だったw


専門学校で作った映像作品「アカノキズナ」のシーン


出合ったきっかけは、「アカノキズナ」の主人公が女子高生(まあ俺の作品はちょいちょい主人公が女子高生w)だったので、現役女子高生で演技が出来て尚且つ事務所に所属してなくて、自主作品に理解のある子、というのを探してたんだな。
最初は他の役者と同じ様にmixiのコミュを通じて募集してたんだが、良く考えたら18歳未満の登録が出来ない事になっているmixiでは、あまり堂々と高校生が応募して来ないよな。
途方に暮れちまった俺は、延々とネットブラウジングしつつ何か効率のいい募集の仕方はないものかと悩んでいた。



そんな時、たまたま昔やってたヲタブログで、同じブログサービスのユーザーさん同士の最新日記の一覧が見れるページってのがあるんだけど。そこにてまちゃんの日記、☆NAGITEMA WEB SAITE☆のログが偶然ヒットしたんだな。
プロフを読むと現役女子高生コスプレイヤーなんだ。
そこで「あ、レイヤーさんなら引き受けてくれるかも」って思ったんだよ。コスプレしてるぐらいだからさ、何か外に向けて表現したいんだろうし、目立つ事好きそうじゃん。それに彼女のようにレイヤーさんのブログやHPにはズラリと自分のコスプレ画像がアップしてある。
俺の作品のイメージ通りのルックスの子かってのも一目瞭然なわけだ。ブログを読めば性格もある程度つかめるし。
そこでてまちゃんに出演依頼したら快く引き受けてくれたってわけなんだ。


今回久し振りに彼女と再会して、腐女子の心理に迫ってみようと思った。



板垣「てまちゃんまだ高校生だっけ?」
てま「ハイ。NAGITEMAは、現在高校3年生の18才。現役女子高生レイヤーです」
板垣「普段何やってんの?」
てま「TVゲームやったりー、パソコンゲームをやったリー、犬と遊んだりー、部活をやったり」
板垣「あー、そうだてまちゃんゲーマーだっけね」
てま「そうですよ」



板垣「ちょっと自分が腐女子だなって感じるときは?」
てま「わたしは友情が好きですね」
板垣「うん?」
てま「あのっ!美少年が血だらけで倒れてるとしますっウフフ」
板垣「はい?」
てま「その美少年に敵がとどめを刺す時にっ、その美少年をかばう更なる美少年が現れることによってっウヒヒ」
板垣「・・・」
てま「どーんとその作品の魅力が増すんですよう!うふうふ」
板垣「・・・なるほどね」
てま「増しますよね?」
板垣「そんな同意を求められてもw」


でもあれだ、BLややおい用語でカップリング、カプという言葉があるんだけども、これは恋愛関係にあるとされるキャラ同士の組み合わせのことをいうんだが、同じ意味の同じ用語がモーヲタにもあるんだよ。
つまりモーニング娘。メンバーやハロプロメンバー同士の恋愛などをネタにしたカプ小説やAA(アスキーアート)のスレが、ハロプロ全盛期には2ちゃんやファンサイトにたくさん発表されていたんだ。
中にはやはり性描写の激しいものもあったけど、メンバー同士の熱い友情や、ほのかな純愛、教育係との師弟愛などを描いた名作と呼ばれる作品も存在したんだな。作者によって違いはあるんだけどヲタが書いてるもんだからさ、実際のメンバーの性格やらメンバー間の交友関係やら軋轢がベースになってて、メンバーに感情移入しているヲタにとっては実に読み応えのあるものであったな。
俺もモー娘。がどん底から這い上がった歴史、メンバーの人間模様、その物語性に強く惹かれたタイプのヲタだから、美少年同士の友情に萌えるというのも分からんでもない。
それにあれだ。やっぱアイドルヲタって、可愛い女の子同士が仲良く抱き合ってる写真とか好きだわw
アイドルヲタにとって属性はいろいろだけど、アイドルの生写真というのは重要なグッズと言えるね。自分の好きなメンバーの写真を買って来てはアルバムにきれいに整理したり、あるテーマに沿って仕分けたりもする。中にはやはり日頃仲の良いメンバー同士で写ってたりすると表情が自然だったりするものなんだ。パソコンでも画像を並べて眺めたりしてね。
ZIZOUビューワーみたいな画像閲覧ソフトなんかで見ると、スムーズにズームインしたり微妙な角度で傾けたりと画像を見ているだけで飽きなかったりするな。
まあ同じアイドルグループのメンバー同士はみんな仲良しであって欲しいってのはヲタの幻想なんだけど。俺もそういう写真は微笑ましく見てしまうもんなんだな。


それじゃあ最後に腐女子の現実の恋愛観というものを。


板垣「てまちゃん2次元じゃなくて3次元の彼氏とか欲しくないの?」
てま「うーん。欲しいよ」
板垣「あ、そうなんだ。どんな人なら大丈夫なの?やっぱ美少年?」
てま「いえ。何か才能のある人で、例えば足が速いとか・・・歌がうまいとか、私をドキッとさせてくれればいいんですよ」
板垣「見た目は?面食いじゃないの?」
てま「私Aボーイ(秋葉系ファッションのオタク)でもいいよ。才能ある人なら」
板垣「ほーう。それは世のオタクには嬉しい一言だね。」


確かにオタク同士のカップルっているもんな。俺オタクの彼女って経験ないなあそういえば・・・。
まあお互いオタクであることを尊重出来るんだからいいのかもしれないね。


前回話しを聞いたAちゃんとてまちゃんに感じるのは、我の強さ、強い自我への肯定なんだよな。
二人とも俺を信用して自分を出してくれてるってのはあるけど、その強さの裏側には 何ていうか、不安定で壊れやすい何かがある気がするんだな。
まあアイドルヲタの女の子と腐女子の子を比べられないのかもしれないけど、アイドルヲタのAちゃんは女の子アイドルに対する憧れがあり、受身(観客)である。ただアイドルのライブやコンサートといったヲタク異空間に参戦し、発散する行為と同時に女の子ヲタは珍しいので、同性であるアイドルからは認知され易いという特権意識もあると思う。
一方ゲーマーであり、腐女子のてまちゃんも基本的には受身であることに違いはないが、コスプレ衣装に身を包み、コミケというオタク異空間の中ではアイドル的立場を獲得することが出来る。そうして自意識を満たしているんじゃないかな。うん。



二人が夢中になって見詰める虚構と、そして圧倒的に目を逸らしたい現実とは何か?
もう少し、彼女たちと関わって行きたいと思う。




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