|
【モスクワ=星井麻紀】ロシアのメドベージェフ大統領は2日、イタリア国営テレビRAIのインタビューで「我々はG8(主要8カ国)から排除されることを恐れない」と語った。今回のグルジア紛争を受け、米国などで「ロシアをG8から排除すべきだ」との声が出ていることに対し、挑戦的な姿勢を見せた形だ。インタファクス通信などが伝えた。
メドベージェフ大統領は、「G8は世界の主要な政治的プレーヤーの意見を反映してこそ、何らかの決定を下すことができる。ロシアなしのG8は事実上、機能しない」と主張。また、米大統領選の共和党候補になるマケイン上院議員がロシアをG8から「排除すべきだ」と主張していることに関連し、こうした動きは「自分の支持率を上げるためのものだ」と述べて暗にマケイン氏を批判した。
また、欧州のニュース専門テレビ「ユーロニュース」とのインタビューでは世界貿易機関(WTO)加盟問題について、「加盟が早期に認められないなら、我々は一連の加盟合意の履行を停止する」と述べた。
http://www.asahi.com/international/update/0903/TKY200809030060.html
日本国内における政局やカルト創価学会問題も重要ですが、国外においても様々な動きがあります。米国大統領選挙の行方なども、そうですが、どうもロシアの動きが気になります。
ロシアの今回のG8排除を恐れない―という表明は、これは単なる強がりではなく、既にそのような事態も想定しながら動いていると見るべきではないでしょうか。
グルジアから独立を表明した二つの共和国を承認したのは、ロシア以外にはシリア、ベラルーシなどに限られており、国際的には追随する動きは見られません。
現在までのところは、ロシア側の強引さだけが目立ち、ロシアが国際社会から孤立していくようにも見えますが、ロシアがそれに慌てているようにも見えません。
ロシアの問題を語る時は、現在の大統領ではなく、はやり旧ソ連時代のKGB出身者であるプーチン首相を抜きには考えられません。
実は欧米諸国や日本はプーチン首相に騙されてきたと言うか、その本心を見抜けずに信用し過ぎてきたきらいがあったのではないか?
私はスパイなどは映画や小説の世界でしか知りませんが、決して本心を明かさない、冷静沈着な人間として描かれています。同じようにプーチンという人物もそのように考えられます。
しかし、今回何もプーチン首相をずる賢い人物であると酷評するために、このエントリーを立てた訳ではありません。プーチン首相が大統領在任の時代に、余りにも彼に対する警戒心を怠っていたのではないか?
今、世界の指導者はそのことを深刻に捉えるべきであると思います。
これまでプーチン大統領(当時)と会った世界各国の指導者は、殆どの人がプーチン氏を褒め称えた。
中でも米国のブッシュ大統領は2001年6月に初めて首脳会談を持ち「率直で信用できる人物だ」とベタ褒めだった。
私はプーチン首相の個人的な性格やその政治信念と言うよりは、どうもロシアの指導者というのは、言葉は悪いが狡猾であり、これまで歴史的に見ても米国の指導者は騙されてきたのではないか―と思っています。
ロシアに騙されて、惨めな形で大統領を去ったのはカーター大統領でした。ウィーンで1979年6月に当時のブレジネフ・ソ連大統領と会談をして、戦略兵器の制限条約に合意し、その成果をアピールした。そのわずか半年後にアフガニスタン侵攻が行なわれた。
米国との軍縮平和交渉を進めながら、裏ではアフガニスタン侵攻の準備をしていたのです。本音と建前とはよく言いますが、ロシアの指導者は、信頼を置くことは出来ないということです。
もっと歴史を遡れば、第二次世界大戦の終了間際のヤルタ会談においても、米国のルーズベルト大統領は、ものの見事にスターリンにこれまた騙されています。
ソ連に有利な欧州分割を受け入れてしまったわけですが、この時にルーズベルト大統領を甘く見たスターリンは、すぐに日本の北方4島への侵攻を決断したとまで言われているくらいです。
このロシアが打ち出してきた大ロシア主義との真っ向対決を唱えているのが、米国共和党候補のマケイン氏です。このマケイン氏が早くから「主要国首脳会議(G8)からのロシア排除」を訴えて来ました。
その意味からすれば、米国の次期大統領選挙において、マケイン氏が優勢かと思いきや、どうもそうでもない。やはり共和党政権が続いたということもあるでしょう。
しかし、それとは別に本来はもっと重視されるべきロシアの対外拡張主義が、余り警戒されていないと見るべきなのかも知れません。また、プーチン首相の戦略が読み切れていないのかも知れません。
21世紀を前にした1990年代の後半、我々は嫌というほど旧ソ連の混乱振りを見せ付けられてきました。映像に写し出されるスーパーマーケットには食料品が並んでいない。
それでも雪の降る寒い中で人々は列をなして、買い求めようと必死でした。国家破産の状態に追い込まれ、社会は取りつけ騒ぎの中で、ついに1998年8月には対外債務の支払い猶予(モラトリアム)を宣言した。
共産主義体制の瓦解と新生ロシア国家の事実上の破産状態、これらの状況下にあっても、秘密諜報機関員として国家の為に死力を尽くしていたのが、若きプーチン首相でした。
若きプーチン首相がこの祖国の惨状をどのように見ていたのか? 悔しい思いで見ていたと思います。祖国の再興と祖国を追いやったと西側を憎み、復讐心を増幅させていたとも考えられます。
彼の打ち出す戦略は机上にあるものではなく、自らの苦しい体験の中から学んだものなのです。ロシアと対峙するには、生半可な気持ちでは絶対に勝てないと知るべきでしょう。
★関連事項の紹介
ヤルタの密約とルーズベルト
http://www.flavour-house.com/honky/message/index2.html
こちらでも、せとさんの最新コラムが読めます
|